オートキャリブレーション技術

昨今の自動車には数多くの車載カメラやセンサーが搭載されており、自動運転・先進運転支援システム(AD/ADAS)に活用されています。
一方で、自動車メーカーでは、自動車1台あたりに搭載されるカメラやセンサー台数が増えることに伴い、工場におけるキャリブレーション(各カメラ・センサー等の位置・角度を正確に計測する)の工程が煩雑化しています。また、それに伴い、自動車の開発現場におけるキャリブレーション工程の開発効率も課題となっています。
一般的に、自動車の製造工程においてカメラやセンサーを車体に取り付けると、取り付け位置・角度やレンズ性能などに個体差が生じます。その個体差がたとえ数ミリ単位等の微差あっても、後段のソフトウェア処理結果に影響を与える原因となります。そのため、製造時にカメラの数に応じて高精度なカメラキャリブレーションを行い、個体差を吸収する処理が必要となります。しかし、このカメラキャリブレーション向け設備にかかる費用が、カメラやセンサー数の増加に伴い膨大になるという課題があります。
Morpho Visual Calibrator™は、AIを利用して、車載カメラで撮影した映像から即座にカメラの位置関係を推定するためのキャリブレーション技術です。オートキャリブレーションを前提とすることで、工場での製造工程におけるカメラキャリブレーション設備を大幅に簡素化でき、設備投資費用が削減できます。また車両開発時におけるカメラキャリブレーション作業を大幅に工数削減でき、次世代自動車においては、カメラやセンサーを数多く搭載するほど、こうした先進技術が必要になります。
なお、センサーと車体(自動車座標系)とのキャリブレーションについても対応計画策定中です。
Morpho Visual Calibrator™は、フロントカメラやリアカメラなど、様々な車載カメラやセンサーを適用対象とします。以下は、マルチビューカメラ(四方を撮影する4台のカメラ)でオートキャリブレーションを適用する場合の例です。
この例では、マルチビューカメラ4台の各撮影画像からカメラの位置関係を推定し、正確に画像を貼り合わせます。AIを使用することで、高精度にカメラの姿勢情報を算出することが可能です。

